季節のご挨拶
「三夕の歌」が似合う季節になりました。
すっかり秋ですね
今年は、残暑が厳しく長く暑い日が続いていましたが、気が付けば、季節はすっかり秋。
朝晩はすっかり涼しくなりましたが、日中は汗ばむ日もあるなど、一日の寒暖の差が激しくなっています。
朝晩の涼しさに、秋を感じますよね。
また「秋の日はつるべおとし」とも言います。
秋は、つるべが井戸の底に落ちるように、あっという間に日が暮れてしまうという意味です。
そのせいか、秋の夕暮れは、どことなくもの悲しくも感じますよね。
三夕とは
新古今和歌集には、もの悲しい秋の夕暮れを詠んだ「三夕(さんせき)の歌」があります。
・寂しさは その色としも なかりけり 槙立つ山の 秋の夕暮れ
・心なき 身にもあはれは 知られけり 鴫立つ沢の 秋の夕暮れ
・見渡せば 花も紅葉もなかりけり 浦の苫屋の 秋の夕暮れ
どの歌も、秋の夕暮れがテーマになった歌です。
昔の人にとっても秋の夕暮れは、もの悲しいものだったんですね。
日本には四季があり、昔から四季それぞれの風景や趣を愛でる風習があります。
日本のようにはっきりとした四季があるわけではありませんが、ニュージーランドにも日本の四季に近いものがあります。
またカナダやオーストラリアの一部にもこれに似たものはありますが、日本人ほど敏感に季節を感じて、四季の移ろいに心を馳せたり、愛でたりする習慣はないようです。
東北や北海道では、まもなく秋が終わり、長い冬がやってきます。
今年の冬は、寒くなりそうという予報が出ていますので、どうぞ皆さまご自愛ください。
その前に、深まる秋を楽しみましょう。